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目指せ!毎日!

2008年08月17日 19:33

ではなくなってますけどね、既に(苦笑

今回はNMHです。
てか、何かすっごい可笑しな事に……キャラが……(瀧汗

うん、夏コミの暑さでやられたんだと思って下さい。頭が(←

女は処理場に入ってくるなり、ずかずかとワインレッドの冷蔵庫に向かった。
「何だ、お前、また来たのか……」
彼女の言葉には何も応えず、ばん!と冷蔵庫の扉を叩き、
「今からこの中のビール、全部没収するから」
と宣言した。
「はぁ!?」
突然の女の宣言に、彼女は眼を剥いてバッティングの手を止めた。
「没収って、」
彼女が皆まで云い終わるより早く、女は冷蔵庫の扉を開けて持ってきた袋にビールを無造作に抛り始めた。
「おい!何遣ってんだよお前!」
自分の大好物を没収する女の暴挙に、彼女は慌てて止めに入る。
「それはあたしのだぞ!?何でお前に勝手に没収されなきゃいけないんだよ!」
女の腕を取り押さえ、捲くし立てるように詰問すると、女はじろりと彼女に鋭い視線を向け、
「この冷蔵庫の中、何が入ってる?」
と、訊き返してきた。
「何って……ビールだろ」
「そう、ビールだ」
女は彼女の手を振り払い、掴んだビールを彼女の鼻先に突き付けた。
「ビール、ビール、ビール、何処を見渡してもビールしか無いじゃない!この冷蔵庫!」
ぐしゃ!と彼女の目の前で潰れるビール。
「喉が渇いてもビールしか無いし、お腹が空いてもビールしか無い!貴女何なのこの巫山戯た食生活は!」
「別にお前には関係ねーだろうが」
好きな物を摂って何が悪いんだよ、と云い返す彼女。
「貴女はそれで良くってもね、私はそうは行かないの」
「そりゃお前の都合だろうが!」
「兎に角、此処に有るビールは全部没収するから」
「止めろ!」
彼女は女を止めようと襲い掛かるが、逆に軽くあしらわれて押し返される。
「何で、何でこんな事するんだよ!」
女はぴたりと動きを止め、
「……貴女、今日の食事は?」
と訊いてきた。
「…ビール」
「昨日の食事は?」
「…ビール」
そもそも、ビール以外の物など冷蔵庫には入っていない。女はふう~っと長い溜め息を吐き、
「そうね、三食ビール。私も貴女に釣られて此処最近はビールばっかりだった」
先程とは打って変わって穏やかな口調。
「本来なら、貴女と一緒になって莫迦みたいに飲み続けている時点で気付くべきだった」
其処で一旦言葉を区切り、一呼吸、間を置いて、
「でも私は気付かなかった。そして先日、私は服の紐を結んでいた時に漸く気付いた……気付いてしまった」
「……何を?」
「きつくなっていたの」
そう云って腿の、紐が編んである部分に手を遣る。
「何が」
彼女はさっさと要点を云わない女に少しじりじりする。
「『何が』ですって?本来なら貴女にだってこの異変が起こる筈……いや、起こらなければ可笑しいのよ?」
「だから、何なんだよ、その異変って」
女は俯いて、込み上げる何かを抑えるように肩を震わせ──
「──太った」
「は?」
「太ってたのよ!私!」
抑えていたものを爆発させるように女は叫んだ。
「太ったって、お前……」
彼女の声が耳に入らないのか、女は更に続ける。
「気が付いたら何時の間にか服がきつく……それなのに貴女は私よりも飲んでいる癖に何も変化が無い……」
そして女はぎろりと彼女を睨み付け、
「私は太って、私よりも遥かにがばがば飲んいでる貴女は何で太らないのよっ!」
と、捲くし立てた。
「そりゃお前、あたしは飲んでも動いてるから……お前は飲んでソファーで寛いでいるだけだろ?」
だからじゃないの?とあっさり結論を出した彼女に、女はそれでも納得がいかないのか、
「云っておくけど、飲んだ養分が全部その胸に行ってるとかってオチだったら本気で絞め殺すわよ!?」
無茶苦茶を云い始めた。
「知るかっ!」
「兎に角、全部没収!こんなのが有るからいけないのよ!」
「だからそれはお前の都合だろ!」
「煩い!こうなったら一蓮托生、死なば諸共!貴女も一緒に巻き込んでやる!」
「巫山戯んな、このクソ女!」
彼女は熱り立って女に襲い掛かったが、女は易々と彼女の身体を受け止め、逆に冷蔵庫に叩き付けた。
「痛っ…!」
冷蔵庫に凭れたまま、ずるずると座り込む。
「全く、考えも無しに私に突っ込んでくるの、好い加減改めたら?」
彼女の身体を起こそうと、胸元のフリルを掴んでぐいっと引っ張った瞬間、だった。

ぶつ。

ぽろん。

彼女のウェイトレス服のボタンが弾けて、豊かな胸が零れ落ちた。




「うっ、ふっぐ、うえぇ……」
「本当に、今のは私が悪かった……」
俯いて泣きじゃくる彼女に女は慰めつつ、謝った。
「頭に血が上っていて如何かしてた。本当に、御免」
「うぐっ、うっ…」
女に頭を撫でられながら、漸く落ち着いてきたのか、しゃくり上げながら彼女は顔を上げた。
「もう、ビール、没収しない?」
「嗚呼、しないしない、しないから」
彼女の縋るような上目遣いに、女はどきりとしながらそう答えた。
流石に、無理遣りにでもビールを全部没収しようと云う考えは女にはもう無かった。女は先程没収し掛けたビールを一本取り出し、
「ほら、此れ飲んで機嫌直して」
と彼女に差し出した。
「うん……」
彼女はおずおずとそれを受け取った──

──今回の事は、彼女と一緒になってがばがばビールを飲んでいた自分にも責任がある。
それを冷蔵庫にビールしか入っていないから、と決め付けて全部没収しようとしたのは確かに大人気無かった。
そうだ、私が自分で自分の事を気を付けていればこんな事にはならなかった。
そもそも冷蔵庫にビールしか入っていないのも問題なんじゃない。それなら──




「お前、好い加減にしろ!」
「何が?」
女はシュークリームを頬張りながらしれっと応えた。
「此れはあたしの冷蔵庫だぞ!?何でお前の私物が当たり前のように入ってるんだよっ!」
「ビールだけじゃ栄養偏るでしょう?」
此れからは自分用に何か他の食べ物を買って入れておこうと思って、と女は続ける。
「それに、此れなら貴女に釣られてビールかぱかぱ飲み巻くって太る心配は無いだろうし」
「だからってお菓子ばっかりじゃ意味無いだろ!」
「あ、食べたければ貴女も食べて良いわよ?一応その為に買って来てあげてる積もりだし」
女が買って来て冷蔵庫に入れてある物──カスタードたっぷりのシュークリームに、苺やブルーベリーのタルト、チーズケーキやチョコレートケーキ──お菓子ばっかりである。
「いや要らね、マジで」
彼女は呆れたようにぱたぱた手を振った。
女が美味しそうにシュークリームを齧るのを尻目に彼女はバッティングの定位置に就きながら、此れは暫くしたらまた太ったと騒ぎ出すんだろうな、と呆れた想いを抱きつつ、バットを振った。
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